
おおまかなあらすじは、
警察の特捜班にいたルーク・ライト(ジェイソン・ステイサム)は、仲間の不正を告発し警察を退職、地下の格闘場で八百長ファイトで稼いでいた。そんな中、八百長に失敗しルークはマフィアに恨まれ奥さんを失うことに。絶望し線路に飛び込もうとするが、その時誰かから逃げ惑う少女が目に入る。正義感の強いルークは少女を助けることにするが、その少女には秘密があり・・・。
という感じ。
中身は無い
詳しく言うとこの少女メイは記憶の達人で一度覚えたら忘れないという設定で、そこを悪人達に利用されて金庫の暗証番号(の暗号)を覚えさせられるんですよ。その金庫には3000万ドルが入っていて、その金のためにメイを悪人や悪い警官が奪い合うわけなんですけど、このメイを奪い合う展開が映画の8割ぐらいを占める。
このレビューを書きながら思い返してみても、やっぱりほとんど中身の無い映画です。
悪い人「うおおおおおメイを奪うぞおおおお」
悪い警官「うおおおおおおメイを奪うぞおおおおお」
基本これだけ。
その合間に銃撃シーンだったりがあるんですけど、そもそも中身が無いので別になんとも思いません。「はえ~怖いな~」と思うぐらい。
訳がわからない
一応ストーリーを補足すると、実は市長の側近アレックスが関わっていて、悪人の情報や金の流れのデータを3000万ドルで売ろうとしていたんですね。で、その買い手が金庫に3000万ドルを入れて暗証番号を暗号にしてメイに覚えさせる。その暗号をアレックスに教え、買い手がデータを受け取ったら暗号の解き方をアレックスに教える、というちょっとツッコミ所しかない煩雑な手順なんですよ。

そもそも暗証番号を暗号にしているんだからメイは必要無いんじゃない?(紙にでも書けば仮に見られても暗号だからわからないし)とか、メイに覚えさせる方がより危険じゃない?とか、暗号にしてるくせにすぐに暗号を解かれてルークに金を奪われてるじゃん、とか。
まあそれはそれとして、終わりよければ全てよしって言葉があるように最後が面白ければ別にいいんですよ。でも、最後もちょっとよくわかんないです。
取引が失敗したアレックスはルークと対峙、拳銃を捨て拳で決着をつけようとする。すると突然メイが地面に捨てられた拳銃を拾いアレックスに向けて発砲。そして決着は付き終わる。

もう訳がわかんないです。
なぜ拳で決着をつけようとしたのかもわからないし、なぜメイが発砲したのかもわかりません。メイ曰く「あの人(アレックス)強かったから」ってことなんだけど意味がわからない。メイは暴力に反対の立場だったわけだし、考えが変わった様な描写も特に無い。本当に意味がわからない。
で、真面目な話、冒頭でなぜルークはメイを助けたのかという部分も気になるんですよ。ここが一切説明が無い。一応映画の中では「命を助けてくれたから、その恩返しだ」ってルークは言ってるんだけどちょっと意味がわからない。例えば、絶望している時に微笑んでくれたとかならまだわかるんだけど、実際はメイは走って逃げていただけでルークのことを見てもないんですよ。
この後に命懸けで悪人からメイを守っていくんだけど、この一番最初のきっかけが不明瞭だから茶番な感じはしちゃうんですよね。
なんやかんや言いましたが、意味がわからないというより意味は無いのかもしれない。