いや~面白かった。最後のチュイーンチュイーンのBGMが流れた時はニヤついちゃいますね。
ボーンシリーズ5作目(ボーン・レガシーも含めると)の位置付けで、過去シリーズを見てないと意味不明ではあります。シリーズ物って大体1作目が一番面白くて、後になるほど盛り下がるイメージが個人的にはあって、残念ながらこのボーンシリーズもそれに当てはまると思います。やはり一番好きなのは1作目の「ボーン・アイデンティティ」ですね。
とはいえ、この「ジェイソン・ボーン」も素晴らしい。
あらすじとしては、
政府に利用されたと思っていたボーンは政府の企みを暴露し現在は地下格闘場で生活費を稼いでいた。しかし実は父親が政府にも関わっていて、ボーンを守るために父親は犠牲になっていたと知らされ・・・。
という感じ。
ボーン・シリーズの何が面白いって、ボーンが悪人をボコボコにすることだと思うんですよ。今回もそこは押さえてあります。1作目の公開から14年も経っているので、主演のマット・デイモンも年をとっているものの不自然には見えない。
シリーズ好きだからこそ気になる点も
とはいえ過去作と比べると毛色が若干違って、娯楽色がより強い感じはしました。
まず、有名な俳優さんが結構出てきます。トミー・リー・ジョーンズやヴァンサン・カッセルなど。これがあまりボーンシリーズの雰囲気に合ってなかったなあと。もちろん演技は素晴らしいと思うし存在感も有るんですけど、ボーンシリーズってあくまで主人公はボーンなので、ボーン以外はそんなに存在感は無くていいと思うんですよ(めんどくさい客)。
その結果、ボーンを中心に展開していた過去作と比べると、視点があっちこっち行ってごちゃついてる感じがします。ボーンが活躍するところを見たいんだよ!と思って見てました。
映画のラスト15分ぐらいにあるアセット(ヴァンサン・カッセル)とのカーチェイスシーンや格闘シーンも無理矢理な感じはしました。過去作でもそういうシーンは有ったんですが、それは必要に迫られてるわけで。そこに人を傷付けてしまうボーンの苦悩とかも描かれていたんですよ。
でも今回は話の流れ的に追う必要なかったんじゃ?とも思いました。父親の仇ではあるんですけど、アセットも仕事だからしただけであって個人的な恨みがあったわけでもない(当時は)。直接的な原因である政府(デューイ長官)との決着が付いて一段楽していたし。
そしてそのデューイ長官の描写。「単に悪い奴」なんですよ。過去作だと悪人なりにも国を良くしたいっていう思いが根底にはあったと思うんですが、デューイ長官にはそれが無い。そこがちょっと単調な感じはしました。
他には唐突にデモ活動が行われるギリシャを舞台に追いかけっこしたり。当時のギリシャ問題を反映したかったのかもしれませんが、取って付けたような展開でした。
とはいえ
ボーンシリーズが好きだからこそごちゃごちゃ言ってるだけで、普通に面白いです。
過去作と比べると色々気になる部分も出てきますが、特に気にせずアクション映画として見れば楽しめます。