Primeビデオで映画『ゲット・アウト』が視聴可能なので見てみました。
どんな映画か全く知りませんでしたし、公開当時も存在すら知りませんでした。視聴後に調べてみるとなにやら色んな賞を受賞してたらしいです。
つまらん

結論から言えばつまらなかったです。
Amazonレビューでもやたら評価が高かったので期待していたのですが拍子抜けでした。
人種差別をテーマにしているようですがそこに執着しすぎて肝心のストーリーがイマイチ、テンポも悪い。
突然大音量でビックリさせるシーンも必要性が皆無。
根本的な部分
つまる所、脳移植をするんですよ。その移植先の相手を競り落としてるんですね。
でもここイマイチしっくり来ないんですよ。(脳移植をして精神は同じなのかとか、そんなこと理論的に出来ないだろという現実的な面は置いておいて)
競り落とすことでアフリカ系アメリカ人を奴隷のようにしか見ていないという描写なんでしょうけど、でもだからって脳移植をしてその人になりたいんですかね?
だって奴隷(もしくはモノ)としてしか見てないのなら、自分がそのアフリカ系アメリカ人になるのは嫌じゃないの?
ここがよくわからないんですわ。
既に脳移植をしたローガン(移植前はアンドレ・ヘイワース)は、見た目はアフリカ系アメリカ人ですが中身は白人のおじいさんですよね。このローガンに対して妻も周りの白人も差別的な態度は取ってないんですよ。
これ不自然じゃない?
中身は白人だから差別してないんでしょうけど、それって結局のところ「肌の色ではなく中身で人を判断している」ことになるわけで人種差別主義者とは対極にありますよね。
そう考えると、この映画に出てくる白人は人種差別をしているというより、目的の為に手段を選ばない非情な人間というだけなんですよ。
この辺がチグハグな映画だなあという印象。
ストーリーとしてはアフリカ系アメリカ人だけじゃなく白人が被害にあっててもおかしくないんですよ。にもかかわらず、被害にあうのはアフリカ系アメリカ人だけという都合の良い設定もイマイチ。
メタファーメタファーうるせえ
映画そのものの話とは逸れますが、色んな考察サイトでメタファーって言葉がやたら出てくるんですがいい加減にしてくれませんか。
「主人公が拘束されたときのイスの肘掛部分から出てた綿は、奴隷制度時代に綿農家で働かされていたアフリカ系アメリカ人のメタファーだ」
「紅茶はプランテーション農業で奴隷として働かされてたアフリカ系アメリカ人のメタファーだ」
「黒いストローに白い牛乳、これは白人至上主義のメタファーだ」

うるせえよ。
メタファーって言いたいだけだろ。
評価とは
随所に「歴史的背景をこんな形で表現してるのすごいだろ?」「人種差別問題をこんな切り口で表現してるのすごいだろ?」みたいな感じが漂いすぎてて見るのが苦痛でした。
じゃあ見るの辞めろやって話なんですが、最後まで見ずに記事を書くのもアレかと思って我慢してました。
時間の無駄でした。
こういう人種差別をテーマにした映画って過大評価されてませんかね?しっかりと内容を見て評価してるんでしょうか。
単に「人種差別をテーマにしてる!これはいい映画!」てなってないですか?もちろんテーマとしては興味深いですが、重要なのは中身なので。
批判ばかりだとアレなんで良い所も挙げると、ラストシーンは意外だったなあという感じです。
てっきり警察に逮捕されて「アフリカ系アメリカ人はこんなに辛いんだよ」みたいなありがちなラストになるかと思ったので、そこは面白かったですね。