ニコラス・ケイジ主演。
テーマは興味深かったものの、2時間弱で描ききるのは無理があったように感じる、そんな映画。
あらすじを大雑把に言うと、
教師ウィル(ニコラス・ケイジ)は妻ローラ(ジャニュアリー・ジョーンズ)と幸せに暮らしていた。しかしある日ローラは男に襲われ重体となる。悲しみと怒りに震えるウィルの元に、政府の人間と称する男サイモンが近づいてきて「解決してほしいか?」と尋ねてくる。それに対しウィルは首を縦に振ってしまい・・・。
という話。
テーマは興味深いが・・・

「警察や法律じゃ対処しきれない犯罪に超法規的に手を下す集団」ってテーマ自体は面白いとは思うんですけど、いまいち引き込まれなかったんですよ。「犯罪に対する処罰への不満」みたいなのってリアルで身近な感情じゃないですか。にも関わらず、映画の中身はリアルとは程遠い感じ。この「テーマと中身のギャップ」が没入感を低くしているような。
ウィルは単なる教師でしかないのに、作中で強すぎる。いくら相手が素人とはいえ拳銃を持った相手に素手で勝っちゃいますし。そもそも組織の体制もちょっとおかしい。金銭を要求しない代わりに今度は組織を手伝ってもらうってリスクしかないと思うんですよ。失敗した時のために無関係の人間を使えば組織はノーダメージということかもしれませんが、基本デメリットしかないのでは。

この組織の規模もあやふやなんですよ。いろいろな所に組織のメンバーは存在していて警察の中にもいるわけですが、だったらアラン・マーシュ(組織を追っていた記者)もどうとでもできたんじゃ?と思うんですよ。そんなに規模が大きいのならいくらでも揉み消すことも可能なはずですし、それが無理ならプロに頼めばいいわけですよ。「組織の核心に迫っている記者」という組織にとって危険な人間の対処をわざわざ素人のウィルに命じる意味がわからない。
終始「とりあえず悲しい事件でも起こしとけば見てる奴も納得するだろ」みたいないい加減さを感じました。
終盤はヤケクソ
ラスト10分に差し掛かると陳腐な感じが加速。組織の人間にローラを人質に取られ呼び出されたウィルは、なんやかんやあって相手を全員返り討ちに。

いやいやお前らプロだろ!!!
なんだこれ・・・。
と思って見ていると、シーンが変わりウィルはアランが掴んでいた組織の情報を記者に託す。「組織を潰してくれ」と。でも実はその記者も組織の人間で「腹ペコのウサギは飛ぶ(ドヤァ)」とか言って映画は終わるんですよ(腹ペコ云々は組織の合図、暗号みたいなもの)。
何これ・・・なんでそんなにドヤ顔なんだ・・・
身近な所に組織は存在してるって演出なんでしょうけど、そこまでの展開にツッコミ所しかないので陳腐なだけなんですよ。なんなんですかこの映画。冒頭でちょっと期待しちゃった分余計にがっかりしました。ストーリーの展開をよりリアルにしていればもう少し引き込まれたと思うんですが。映画「トカレフ」を見たときと同じような気持ちに。ニコラス・ケイジの映画ってこんな感じのが多い気がします(主観)。
とはいえ、何もいい部分が無いのか?というとそんなことはありません。タイトルで書いた通りジャニュアリー・ジョーンズが美人なことです。ジャニュアリー・ジョーンズが見たい方にはオススメです。